7人のなにわ侍

まあ全ての始まりは一ヶ月の海外研修に携帯を忘れていったことなんだけども...

向こうでは先輩の予備の携帯を借りたので私用では使いづらく、泊めてもらってた家のパソコンももちろん使えなかったのでなにわ侍について何も情報が入らないまま一ヶ月をすごした。

帰国日(19日)に初なにわ侍だったのだけど、時間がずれて公演ぎりっぎりに日生についたから走って劇場内に入ったのがいけなかった。入り口のポスターなんて全然気づかなかった。

幕が開いて、7人が立ってて、頭が真っ白になった。は?え?はっ?なんでいるの?ってもうフル回転フル回転。ギュルンギュルン鳴ってた。だから19日の公演内容はほとんど覚えてない。ただただカウントダウンの映像とそのときの気持ちばかり浮かんでて、正直イラついてた。彼らの関西ジャニーズJr.時代をずっと見てきてたわけではないからこんなこと思うのもお門違いかもしれないけど、それでもなんだか心の底から喜べなかった。少しずつ見えてきてた「デビュー」の道に、このまま仲良しこよしで乗れるか分からないこと、グループといえど一人ひとり自立して立っていなきゃだめなこと、今このときが確かにぬるま湯で、このままじゃダメだとどことなく感じてたこと。私が彼らの後ろを歩き始めた頃はふとそんな気持ちが見え隠れし始めてた時期だった。仲良くて楽しくて面白くて。仕事だけど仕事をしてるように感じさせない、皆で遊んでるような雰囲気があって。やっぱりその身近さはJr.だから出せてた部分でもあったと思う。東京とはまた違う、からこそ関西ジャニーズJr.という括りがよりいっそう彼らの仲を強くしてるように感じた。その括り内はぬるま湯で気持ちよくてこのままずっとなんて幾度も思ったし、もしデビューするのならこのままの温度でとも思ってた。

でも本人が言うんだ。ひとりひとり覚悟はしている、と。こっちが過剰に彼らの仲のよさを強調させていてもしかしたらそれが彼らのデビューを遠ざけているのかも、なんて思ったりもした。「関西ジャニーズJr.」という括りを好きになりすぎていた。今思えばあの時もその時もあの子達は皆まだ「ジュニア」だった。周りがなんとなくこのままでもいけそうじゃね?な空気間の中それでも「デビュー」に拘った淳太くんを始め彼らはどんな気持ちで、私たちとどれくらいの温度差で、どんな葛藤を抱えてたんだろう。それでも私は「関西ジャニーズJr.」を好きだった時間はこれからもずっと宝物のように大事にすると思う。楽しくて嬉しくて今だって何も変わらず大好きだ。あの子達の「関西ジャニーズJr.」が大好きだ。

「選ばれる覚悟」そして「選ばれない覚悟」。彼らの様々な覚悟を持ってステージに立つ姿に、私だって覚悟を決めたつもりでいた。どんな未来でも変わらず応援しよう。泣かずにいよう。おめでとうって心から言いたい。去年の年末はそんなことばかり思ってた。それでもやっぱりカウントダウンのあの瞬間は頭が真っ白だった。7WESTのこと、4人のこと、残された3人のこと。なんて薄っぺらい覚悟なことよ。そのときの気持ちをその瞬間に言葉にしなかったからいまさらどう言葉に表したらいいのかわからないけど、ああ終わったんだなって淋しかった。何にも終わらないのにね。全部始まりでしかないのにね。それほど彼らが「関西ジャニーズJr.」として歩いてきてた道が大きかったのかもしれない。デビューなんかよりずっとずっと大きかったのかもしれない。正直作り上げすぎていた。「そのままでいいじゃない」なんてジャニーさんが言ってしまう程に完成しきってた。

あけおめでも触れず着々と4人の仕事が明るみになっていく一ヶ月。気持ちを切り替えていく為の時間としてちょうど良かった。「お前らはプロだろ。これは仲良しサークルじゃない。」京都太秦行進曲で本人たちから伝えてきたメッセージ。もう仲良しこよしでいく段階はとっくに通り過ぎていた。彼らはプロだ。友達と一緒がいい、なんて社会では通用しないことぐらい自分だって分かってるだろ。なんども何度もそう思いながら見ていたのは過去の映像ばかり。未練たらたらめんどくさい奴。でも日本を発つ前に、リアルタイムで見て以来初めてカウントダウンを見たの。絶対泣くかと思ってたのに泣かなかった。意外と大丈夫だった。がんばれ、って素直に思えた。私たちはただ、彼らを応援していればいい。こっちがくよくよしていたって意味がない。彼らが4人でこれからステージに立つのならその姿を笑顔で見ていたいなって思った。一ヶ月後のなにわ侍が、楽しみになった。

 

だからなおさら、7人で立つ彼らに混乱したしちょっと待てと。あの一ヶ月はなんだったんだと。もう内容なんて頭にはいりゃーしない。どこに気持ちをおけばいいのか分からなくてただただあの一ヶ月間に魂を戻してたら、いつの間にか1幕終わってた。

「皆さんに重大な報告があります。重岡大穀、中間淳太桐山照史小瀧望、そして、神山智洋藤井流星、濱田崇裕。この7人でCDデビューすることになりました。」

ずっとずっと遠くのほうで聞こえてた淳太くんの声、歓声と拍手。真っ赤な衣装で出てきた彼らの顔が今でも忘れられない。嬉しそうで自慢げで、なにより自信に溢れてた。このとき初めてあの子達の顔をはっきりと見た気がする。7人になったジャニーズWESTをやっと見れた気がする。力強くステージに7人で立つ彼らはどうあがいても希望しか抱かせてくれなくて、なにを無駄に考えてたんだろうって。私は誰よりもメンバーが大好きなあの子達が大好きだったのに。どこよりも一緒にステージに立つ仲間と笑いあってるあの子達が大好きだったのに。勝手な覚悟と決意を決めて何勝手にイラだっていたんだろうって思った。そのとき気づいたのは、あの一ヶ月で私が到着した場所は「諦め」だったこと。プロだから、仕事だから、楽しいばかりじゃないからと、7人の未来を諦めてしまったこと。諦めなかった彼らに、そんな自分が恥ずかしかった。だから素直に喜べなかった。

カウントダウンから初めてジャニーズWESTのことで泣きかけた瞬間耳に入ってきたのは楽しそうな彼らの声で

「ええじゃないかええじゃないか~♪ハッハッハッハッ♪」

思わず笑ってしまったよ。なんて歌だ!!!!笑 当の本人にあんな楽しそうにええじゃないかええじゃないかって歌われたら本当にぐじぐじしてる自分があほらしくなる(笑)だってこっちの気持ち全部本人たちが楽しそうに歌うんだよ!ひとつひとまずなんでやねん♪ちゃうわこっちのセリフや!とんでもない歌をもらえたな!もうそれデビュー曲でええじゃないか!と思ってたら何食わぬ顔でデビュー曲になってた。投票は・・・?まああってもええじゃないかに入れてたんで何も不満はありませんが。

 一曲目がええじゃないかで本当に助かった。お陰で二幕はなんにも考えず楽しめた。可愛かった!楽しかった!改めて嬉しかった。何も変わらず大好きだった。

 

竜巻の中心に立たされてた初なにわ侍が終わった。私は19日の幕に全部ぶつけて置いてきた。次の日は晴れ晴れと内容を楽しんだよ。改めて見るとこれはまたなんて内容だ!(笑) 彼らのストーリーを物語にするとこんな感じなんだなぁと。

まずはなによりおしげちゃん!だろうなと思ってたけどやっぱり彼がメインで始まるよね。選ばれたおしげちゃんと、選ばれなかった神ちゃん。

研修先でホームステイさせてもらってた家の女の子が日本のアニメヲタクなんだけど、毎年漫画とともにジャニーズ関連のDVDも私が勝手に持って行って一緒に見てる。今年は関ジュさんメインで持っていったのだけど、その子がおしげちゃんを見て「彼はとってもアニメの主人公っぽい!」と興奮してた。

「おしげちゃんは一見とても「普通」に見える。でも良く考えてみて。漫画にしろアニメにしろ「普通」を個性に出来るのは主人公だけなのよ。そして「普通」だからこそ物語の中心にいられる。主人公が「普通」であることの魅力を彼は意図せず持ってる」

とても納得してしまった。深く知れば知るほど全然普通じゃないのに、一見「普通」に見えてしまうのが彼の弱点かなと思ってたときもあったけど、そんな武器になってたなんて。今回のストーリーだってしいて言えば神ちゃんのストーリーほうが色が強く表現できただろうに、そうじゃないって思える何かがある。それはやっぱり、どれかひとつだけの視界を選ぶなら渦巻きの中心に立つ者からの情景が「分かりやすい」のかもしれない。動かずとも周りの物語が動いていくおしげちゃんの景色はきっととっても分かりやすいんだろうな。それは全体をきちんと見て自分自身を確立する彼の努力があってこそなのかもしれないけど。彼女はそれを「覚醒」と呼んでた。

帰ってから少年倶楽部見てたら勝利くんとおしげちゃんの叩いてかぶってがあって、彼女の

「おしげちゃんがアニメの主人公なら、勝利君はRPGの主人公!後天的センターと絶対的センター!」

という言葉を思い出して大興奮してた。これあの子に見せたかった…!!

 

そしてのんちゃん!!まあーーーーーーーかわいい!!!!!!かんわいい!!!

選ばれたときのぴょんぴょん跳ねて喜ぶのもがんばるぞおー!ってひとりでやってるのもしげかみシーンのとき後ろの階段で照史くんとじゃれてるのも楽屋のシーンで壁にすがって斜め上見上げてるのも流星君にかっこよかった!!ってはしゃぐのも承諾もらえてやったやったってあきとくんゆするのも最後のRDで端のJrと肩組んでゆれてるのももうなにもかも可愛い。可愛いの塊。のんちゃんが可愛い日本に生まれてよかったと天を仰いだ。日本最高だよこんな可愛い子を育ててる日本最高の国だよ。

やっぱりどうしてもジャ西だとのんちゃんは末っ子ぽくなるのだなと改めて感じた。そうだよなぁもう年下はいないもんなぁ。でも今まで通りのびのびとたくさんの愛情をもらって大きくなっていけそうで一安心。そしてちゃんとのんちゃんにもひとつの「責任」を背負わせてくれるだろうお兄ちゃん達でたぶん私何度も「このお兄ちゃん達でほんとによかったねぇ」って言い続けると思う。

ツインの話は、始まりは違えどやっぱり盛り込まれてくるよね。4人だったらきっと「関西ジャニーズJr.」とは踏ん切りをつけなければならなかったはずだけど、7人になった今はそれを継続していくことになる。その上でやっぱりツインはツインとしてきちんと物語をつないでいかないといけないよなと。

「望みを叶えるには流れ星が必要なんや」

関ジュからジャ西へ繋げていく物語には、のんちゃんの隣に流星くんが、流星くんの隣にのんちゃんが必要なんだ。このときのツインはとってもとってもかっこよかった。

 

濱ちゃんはとんでもない存在感で彼に対しては笑ってしかないと思う。すごい。なんだろうねあの方の絶大なる信頼感。濱ちゃんなら大丈夫だわ!って思わせるあの空気なんなんだろう。ジャ西の特攻隊長桐山さんが濱ちゃんにだけはわりかし受身なところが尚更そう思わせるのかなぁと思ったり。大いに信頼してるのが凄く伝わってくる。

ジャ西がまとめるために必要な人だとなにわを見て改めて思った。きっとこれから先、濱ちゃんがいてくれてよかったって思う場面たくさんある気がする。

 

そしてバッドちゃんね。

 あきとくんが「俺にはこれしかない」って言う度そんなことないのに!保育士さんにだって接客業だって営業職だってあきとくんのコミュ力なら出来ると思うよ!って思ってたけど、彼のあの言葉は向き不向きからくる言葉じゃなかったんだなと初めて気づいた。あきとくんには「夢」がこれしかなかったんだ。小さいころからダンスを始めて大きなステージで踊る夢を叶えるのに彼にとってはきっとこれしかなかったんだなって。

関ジュの中で誰よりも覚悟があったのはあの二人だったと今でも思う。それはバッドとしてはデビューできないと受け止めたときからあったものだったのかもしれない。関ジュが一括りで人気になって行く中で、彼らの覚悟は周りにも影響していたんじゃないだろうか。あけおめのコンサートで唯一真っ直ぐ前を向いていた二人がとても印象的で、彼らは10年分の覚悟をあのステージに出し切っていた。悲しみが渦巻く中でそんな二人の背中はものすごく心強くて、ああ彼らが作り上げた物なんだなと改めて思った。それはとてつもなく大きくて暖かくて終わりをこんなにも悲しめる程にまで皆に愛されてた。10年背負ったB.A.D.という名前はもう呼ばれることはないのに胸を張って最後のステージに立つ二人が、ファンの一歩を、少なくとも私の一歩を出させてくれた。

なにわ侍の物語にあった二人の葛藤は凄く凄く辛かった。物語ではデビューへ熱意が向けられていたけど、もしかしたらあの時残されたメンバーに向けてた思いだったのかな。きっと私達の何倍も辛かったよね。誰よりも覚悟を決めていながら、誰よりも「関西ジャニーズJr.」を愛してくれてたもんね。でも「これしかない」と強く思うあきとくんはきっと4人でもきちんと華々しくデビューするつもりだったと思う。「なんでこの4人だったんだろう」「仕方ないやろ。この4人が選ばれたんや」関西ジャニーズJr.を割り切る覚悟もバッドをおいて行く覚悟も決めていた彼があの時期誰よりも4人でデビューするつもりだったんじゃないかな。だから尚更、辛かったなぁ…

4人では足りないもの。自分自身に足りないもの。諦めることだけはしたくない。あきとくんのソロはただただ泣くことしか出来なった。彼の葛藤も不安も苛立ちもなにもかもが伝わってきた気がした。

流星くんが入ることに躊躇なく承諾したあきとくんはあのソロであの時間でまた強くなったのかな。ひとりひとりの「色」が足りないことに気づいて、4人だとそれが上手く出せないこともまた受け入れて。なんて強い人なんだろう。いつだってあきとくんは自分の弱さから逃げずきちんと受け止めている。だからあんなに優しさを身に纏うことが出来るんだろう。あきとくんに惚れ直してばかりの舞台だったな。

そして一人一人覚悟を決めていると言い続けてきた彼らにとって、個々の色がちゃんと必要な虹はとてもぴったりだなって思った。一色一色がきちんとその色として存在意義があるのに、7色集まるとそれはひとつの虹になる。 一人ひとり決めた覚悟が決して無駄にならないそのテーマはまさしく彼らそのものだと思った。

 

最後に淳太くん。途中謎のタイミングで彼のターンがあったけど、この物語もジャニーズWESTも関西ジャニーズJrの新たな始まりも全部彼がいなければ始まらなかった事だったんだよな。彼の強さと潔さと決意と執念にはこれから先じゃ西が続く限り感謝していかなくちゃならない。

淳太くんが自分の人生とバッドや関ジュを何度も照らし合わせてきた10年間にあふれ出る愛おしさはなんなんだろう。辞めようと思う度きっとたった一人の相方のことも考えてたんじゃないのかな。デビュー出来ないなら辞めると口にしたときも、関ジュの事を考えていたんじゃないのかな。自分自身の道を決める上で、彼はどうしても一人にはなれなかったと思う。それは淳太くん本人が作ってきた信頼であり仲間であり。徐々に気づいた関ジュの道の中でのあり方は、自分はきっかけであるということだったのかもしれない。終わりを作るきっかけになる強さを淳太くんはちゃんと持ってる。あきとくんとはまた別の、上に立つ強さを持つ淳太くんがいて今のジャ西があると思う。関ジュについてきてよかった、そしてジャ西についていっても絶対間違いない。そう思えるのはなにより淳太くんのおかげだ。

 

彼らの物語は二人無くしては語れない。

そんな二人が歌うんだ。

「これが生き様やねん」「晴れ舞台やねん」

それまでより少し温度をさげて、でも嬉しそうに歌うんだ。

これから先じゃ西がどんな形になるのかわからないけど、彼らの物語の始まりは変わることなくこの二人からだ。5年先10年先15年先も変わらずこの歌詞を、大きくなったステージの上で沢山のゆれるペンライトの海の中心に立って、メンバーの煽りと共に堂々と歌ってる二人がそこにあったらいいな。二人並んで嬉しそうに笑ってたらいいな。

 

もしあのまま4人でデビューしていたら、この先どれだけ楽しくてもどれだけ大きくなっても、あの一ヶ月だけは悲しい思い出として忘れなかったと思う。徐々に4人が流星君や神ちゃんや濱ちゃんの名前を出さなくなっていくのを心のどこかで寂しいなって思いながら応援してたと思う。

7人になった今。その未来予想図は大きく破られたわけで。あの一ヶ月だってジャ西のひとつのバネへと変わった。今なら淳太くんより何倍もの笑顔で言えると思う。

「彼らの未来希望しか見えない!!!」

 

最後になったけど改めて…

ジャニーズWEST、デビューおめでとう